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笹崎直哉のコラム
目標設定とそこに向かって その3

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2020年8月25日

 暑い日が続きますね。お疲れ様です。先日大学院ゼミナールがリモート授業形式で開催され、4日間パソコンと向き合い受講してきました。基本的に英語で会話しなければならないのですが留学生、日本の学生さんともに英語がペラペラで内容を理解するのに必死でした。とても刺激的な4日間になりました。

 さて今回は残されたG、H、Jについて解説していきます。

 ・Gは高齢の牛さんです。問題なのは分娩後から192日が経過しているのに、1度も授精ができていないことです。年1産を目標にするならせめて分娩後50日~60日あたりで「これではまずい」と判断し、先生に診察を依頼したり自分で直腸検査、膣鏡検査などで子宮や卵巣をチェックするべきです。

 ・Hは妊娠鑑定を待っている状態ですので現時点での処置は必要ありません。しかし授精回数は6回と非常に多く、初回授精日数も70日と遅くなっています。毎回発情するけど、受胎せず発情回帰してしまうようです。授精後に何か不受胎の原因が隠されているのか・・・。いろいろな問題がありそうですね。2回目の授精後の妊娠鑑定でマイナスだったときに診察などのアクションがとれていればより早く妊娠していたかもしれません。

 ・Jの問題点は未経産牛で15ヵ月齢なのにまだ授精ができていないということです。発情に気がつかなかった可能性もありますが、15ヵ月齢に突入する前に一度診察してもらえばよかったです。

 これをふまえ一度GとJの診察をお願いして、受胎に至っていない5頭(A、G、H、I、J)の血液検査を実施することにしました。

つづく

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