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笹崎直哉のコラム
目標設定とそこに向かって その2

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2020年8月18日

 最近はクーラーをつけて寝ても、暑くて深夜に起きることがあります。日中は日差しが非常に強く例年と比べてかなり暑い気がします。気のせいでしょうか(汗)。

 さて本題に入りましょう。
 まずは8月11日時点で妊娠が確定していない牛さんをリストアップしてみましょう。Aの5頭になりますね(データは前回のコラム参照)。この5頭のデータをみればちらほら目に留まり数値があります。
 しかしに関しては注視する必要がなさそうです。なぜでしょうか・・・。

 ではAについて説明します。
 Aで一番注目すべき項目は「空胎日数:20日」です。この時期はまだ生理的空胎日数といって、まだ子宮に炎症が残り子宮内環境を整えている時期に該当します。なのであと10~20日ほど待った後にくる発情で授精を実施しようかというところです。ちなみに分娩後の発情回帰の早さは牛さんのエネルギー、タンパク、ビタミン、ミネラルなどの栄養バランス、分娩時の子宮の損傷程度(難産であれば修復に時間がかかるかも)、はたまた哺育方法(自然哺育、人工哺育)など様々な要因によって決まります。つまり初回授精日数は牛さんごと、もっと言えば農場ごとで多少の差が出てきます。

 次にIはどうでしょう。
 Iは未経産牛です。育成雌牛の繁殖供用開始時期は系統など個体差がありますが体高、体重、骨盤の成長具合を考えれば約13~14ヵ月齢というところでしょうか。10ヵ月齢になれば初回発情がみられるようになりますが、その後安定した発情周期(21日前後)が確認できれば授精にシフトしてよいのではないかと思います。もちろん成長期ですので、ボディコンディションスコア(BCS)を気にしながら飼料の給与量を調節しなければならないので、経産牛よりも飼養管理が難しいかもしれません。Iは14ヵ月齢ですでに1回目の授精を終えているので、ひとまず合格としましょう。

つづく

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