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笹崎直哉のコラム
手術器械について学んでみよう⑥

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2020年7月14日

 お疲れ様です。明日以降も天気予報は雨マークが続きますね。梅雨の時期は湿気が強いので、普段の診療では衛生面に気をつけています。特に診療道具の洗浄、ツナギや長靴の衛生管理はより意識しないといけません。

 さて手術器械シリーズですが、今回は「針」です。
 針は大きく分けて2種類あります。角針と丸針です。この角針と丸針の違いは針の先端に注目すればわかります。

 丸針は形がまるく円錐のように先端が尖っています。角針は皮膚や硬い組織の縫合に使用される湾曲した三角錐の針です。実際に皮膚の縫合で丸針を使うと切れ味が悪く針が通りづらいので、必ず角針を使うようにしています。皮膚以外の組織は基本的に丸針で問題ないかなと思います。
 例えば帝王切開術で行う縫合なら丸針は子宮、腹膜、筋膜、筋で使用し、角針は皮膚で用います。

 もう一つ重要なのが、針のサイズです。私は縫合の対象が小さく、細かいほど操作が大変で力の加減も注意しなければならないので、小さい針を選ぶようにします。

 いままで大変だったのが鼻門縫合(子牛の鼻が切れてしまったとのことで縫合しました)には、小さめの角針を使ったのを覚えています。

 手術のときは基本的にこのようなケースに針を収納し、私は左側に角針、右側は丸針をセットすると決めています。予備の針も含めて6本程度入れています。どちらにせよ先端が鋭利で危険なので、常に慎重に取り扱うよう意識しています。

つづく

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