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蓮沼浩のコラム
第625話:食料供給情報

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2020年7月2日

 気が付いたら7月。本当にいやになっちゃうくらい早く時間が進みます。なんでこんなに早いのだろう。この調子では、すぐに年を越してしまいそうです。
 
 農林水産省のホームページを見てみると「食料供給」についての情報がのっていました。動画があったり、細かいデータが入っていたりする詳細な報告になります。このような情報が大きなトピックとして出されるのは、新型コロナウイルスの影響等で多くの人がこれからの国家の食料供給体制を心配しているからだと思います。もちろん畜産関係者は飼料原料の確保という意味でも大変重要なポイントになります。

 現状を整理してみると・・・

■ 食料品は十分な供給量・供給体制を確保している。
 コメや小麦の備蓄についても十分な量が確保されています。
お米については、現在、政府が保有する備蓄分が約100万トン、農協・卸売業者等が保有する民間在庫が約230万トンあり、これは需要量の5.5か月分、約165日分になります。
小麦については、安定供給を図る観点から、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどの輸出国から、国が一元的に輸入しており、外国産小麦の国内備蓄が約93万トンあり、これは需要量の2.3か月分、約70日分になります。

■ 海外からの輸入が滞っているということはない。
 新型コロナウイルスの感染が拡大し、一部の国では穀物等の輸出制限を行う動きもみられますが、日本の主要輸入先ではないことから、日本の食料輸入に影響が生じているとの情報は入っていません。

 なので、食料品は、十分な供給量を確保しているので、安心して、落ち着いた購買行動をお願いいたします。

 という報告がなされています。

 世界人口の増加、世界の気候変動、自然災害、新型ウイルスの蔓延など本当にこれから予測不能な問題が出てくる可能性が高い時代。安心して国民が食生活を送れるように、本当に安定した食料供給体制を構築していくことが大変重要になります。昨年ほんの少しですがオーストラリアの大旱魃をみてきた小生は、いろいろと考えてしまいます。とにかく本当に難しい問題です。

 最後に国家の食料の安定供給の確保の考え方について記載しておきます。小生が気になった文言を太字にしてみました。リスクは常にあるという認識でいたほうがよさそうですね。

◎ 国民に対する食料の安定的な供給については、世界の食料需給等に不安定な要素が存在していることを考慮し、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合させることにより確保。

◎ 世界の人口増加等による食料需要の増大や異常気象による生産減少、新型コロナウイルス感染症などの新たな感染症の発生による輸入の一時的な停滞等、我が国の食料の安定的な供給に影響を及ぼす可能性のあるリスクが顕在化しつつあり、自然災害や輸送障害等の一時的・短期的に発生するリスクも常に存在。このため、不測の事態に備え、平素から食料供給に係るリスクの分析・評価を行うとともに、我が国の食料の安定供給への影響を軽減するための対応策を検討・実施することにより、総合的な食糧安全保障を確立。

今週の動画
「 How to get Rumen juices 胃汁採取 」

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