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笹崎直哉のコラム
手術器械について学んでみよう④

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2020年6月30日

 皆様お疲れ様です。先日オンライン英会話レッスンを朝7時に予約していたのですが、寝坊して起きるのが開始ギリギリになりました。ボサボサ頭で声もガラガラなので、とにかく恥ずかしかったのですが、偶然にも先生も同じ境遇だったのか寝癖のあとがあり、「It was late to get up today !!」とお互いに笑顔で話しました。

 さて今回は持針器を紹介します。

 持針器の出番は縫合です。その名の如く基本は針の操作をするための手術器械です。針をしっかりと保持するため、先端は短く、把持部は長くなっています。

 鉗子と同じようにロックがあり(黄色矢印参照)ます。ここを強く握ればロックが解除しますが、握力をその都度調節してロックの度合いを決めます。なので針を持ち替える度に「カチカチ」と音がなります。

 今回掲載したのは「マチュー」と呼ばれる一般的な持針器ですが、成牛の皮膚は分厚いので縫合で針を通すだけでも力が必要になってきます。そんなときに向いてるのが「ローゼル」という持針器です。利き手の小指または薬指でロックを外すので、慣れるまで大変ですが硬い組織の縫合には力が入りやすく、もってこいです。例えば帝王切開術で私は皮下組織まではマチューで操作し、皮膚縫合になった途端ローゼルに切り替えるといった流れにしています。

つづく

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