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松本大策のコラム
ビリーの虫除け

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2020年6月29日

 みなさん、またコロナがじわじわ増えてきてますね。気をつけなくちゃいけませんね。

 ところで、コロナの流行などお構いなしに、また暑い夏がやってきます。というか、もう来てますよね、夏と梅雨が交互に来てるような天気です。

 こういう時期に増えてくるのが、いやあなサシバエなどの吸血昆虫です。サシバエがいると、ストレスでバタバタしたり、発情が来なかったり、牛歩やUモーションをつけていても、牛の動きがランダムになるので、誤動作が増えたりします。
 また、サシバエに対してアレルギーの強い牛さんでは、皮膚にブツブツが残り(写真1)、カユミが強く、またそこに細菌感染や真菌感染が起こると、やっかいな皮膚病になります。
 さらにアレルギーの強い牛さんでは、サシバエのカミ痕が腫れてきて「好酸球性肉芽腫」という良性の腫瘍みたいなものを作ることもあります(写真2)。

 それだけでなく、サシバエやヌカカ・アブなどの吸血昆虫は、いろいろな病気をうつして回ります。アブが牛白血病(名前変わったけど、しばらくはこれで行きます。解りにくいんだもん。)を伝染するのは有名ですが、それ以外にも流産や死産、奇形胎児の原因となるアカバネ、チュウザン、アイノ、ピートン、シャモンダ、流行熱、等のウイルスも吸血昆虫でうつります。
 これらの虫は、殺虫剤で駆除したり、サナギから羽化出来ないようにするホルモン剤などで対応しなければなりませんが、山の麓だったり、隣が他の人の草地だったりすると、それも難しいです。

 シェパードの女子会のLINEグループのビリーさんが、手作りの虫除け剤を紹介してくださったので、ご紹介しましょう。

 サシバエ避けのハッカ油
 比率は、ハッカ10cc+サラダ油490cc(500mlのペットボトルで作ってます)

とのことですが、塗ってあげると半日くらい忌避効果が続くそうです。アレルギーの牛さんや、出荷前で肉色の悪化が心配な牛さんには塗ってみてはいかがでしょうか?

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