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松本大策のコラム
起き上がれない牛さんの起こし方-ビデオ版-

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2020年6月22日

 以前、写真でご紹介したのですが、最近U-motion(ユーモーション)の普及などで、起き上がれない牛さんの通知が届くようになって、再び牛さんの起こし方についての質問が増えてきたので、改めてビデオ付きでご紹介します。

 おなかの大きな牛さん、とくに肥育中期以降の子は、背中側が低くなると自力で起き上がれなくなり、とくにビタミンAが欠乏している牛さんなどはパニック死しやすく、また、そうでない子も時間がたつとガスが張って呼吸困難で死んでしまいます。

 こういう子を最近は、U-motionなどのモーションセンサーで感知して知らせてくれるようになりました(余談ですが、共済制度の変更で診療費の10%を自費で支払わないといけなくなるのですが、今U-motionを取り付ける契約をすると、この10%をU-motionの会社(デザミス株式会社)がずっと支払ってくれる制度があります。診療の多い農家さんはお得かも知れません)。

 ところが、せっかく通知を受け取っても、起こし方を知らないと6人がかりでもなかなか起こすことは出来ません。ご紹介するビデオは、阿蘇のコンサル中に偶然遭遇した「起き上がれない牛」を一人で起こすところです。

 コツは、鼻環もしくは頭絡を掴んで、牛さんの鼻を天に向けて引っ張り、そのままで牛さんのおなかの方へ、その鼻環を引っ張りながら体重を浴びせかけるようにするのです。そしたら一人で起こすことが出来ます。

 鼻環を天に十分引っ張るまでは、足の近くに行くといけません。蹴られますからね。鼻環を上に引っ張り上げると牛さんは蹴ることが出来ないのです。

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