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戸田克樹のコラム
第289話「梅雨になると思い出すマイコトキシン⑥」

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2020年6月24日

夜空に瞬く星がきれいですね。ちかごろ深夜にトイレに起きるのですが、33歳にしてその症状は早すぎるのではないでしょうか。がんばれ!膀胱!!

カビ対策と聞いて真っ先に思い浮かぶのは「カビ毒吸着剤」ではないでしょうか。
そもそも吸着剤とは何なのでしょうか。簡単に言えば「マイコトキシンが口から入ってきても、そのまま糞に出てしまえば影響ないでしょう」という考え方に基づく製品で、酵母系と鉱物系の2種類に大きく分類されます。

①酵母系吸着剤
酵母菌の細胞壁には目に見えない小さな隙間があります。その隙間にマイコトキシンを吸着させることを目的としています。

②鉱物系吸着剤
多孔質のゼオライトやベントナイトがこれにあたり、酵母系と同様、隙間にマイコトキシンを吸着させ糞便に排泄させることを目的としています。酵母系より吸着性は強いのですが、ミネラル類も吸着してしまうデメリットがあります。

他にも、特殊な酵素を含有し、マイコトキシンそのものを分解(構造変換)する効果を謳った製品もありますね。

どんなに頑張っても、外で管理する以上、梅雨時期のカビは100%排除できるものではありません。だからこそ、カビを生やさない努力が重要なのです。エサの保管場所、エサの給与方法、飼槽やバケツの状態の観察など、ちょっと意識するだけでも改善できるところが見つかるのではないでしょうか。対策を頑張って、さらに欲を言えば吸着剤も使用する。地道なことの繰り返しですが、梅雨時期の対策を頑張っていきましょう。

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