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蓮沼浩のコラム
第622話:代替肉(だいたいにく)その2

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2020年6月11日

 鹿児島はかなり暑くなってきました。これから夏本番。牛さんだけでなく、自分の体調管理にも気を付けていきたいですね。
 
 代替肉は大きく二つに分類されます。

 一つは培養肉(ばいようにく)。なんだかすごい響きですね。SF的な雰囲気満載です。これは実際の肉の可食部を組織培養して得られた肉になります。現在試験研究が進められており、実際に食肉として完成もしています。しかし、今の段階ではコストがとてつもなくかかることからまだまだ一般市場に出てくるには時間がかかるとのことです。安全性の問題などもクリアーしなくてはいけません。2020年代後半にはかなり広がってくるのではないかと予想されています。ちなみに100gの培養肉を作成するのに数百万のコストがかかっているそうです。現在最先端技術を投入して恐ろしいほどのスピードで研究が進められています。いろいろな会社が鎬を削って試験研究をすすめています。将来必ず価格は下がってくると思います。
 ただ・・・・・小生のような田舎の獣医師にとっては、さすがに培養肉は違和感があります。なんだか得体のしれない物に感じてしまいます。しかし、これから10年、20年後に生まれてくる子供たちや、もしかしたら今の若い人たちにとっては違和感のない、普通の食品になってくるかもしれませんね。時代の変化とともに常識は簡単に変わってしまいます。

 もう一つの代替肉は植物肉(しょくぶつにく)と言われています。こちらは一般的にはフェイクミートともよばれています。一部では代替肉をフェイクミートと呼んでいるところもありますが、小生は培養肉と区別するために、植物肉をフェイクミートと表現しますね。実は今アメリカで主流となっているのは、このフェイクミートになります。
 植物肉という名前からわかるように原材料は大豆、小麦などになります。完全菜食主義者のヴィーガン対応として一切動物性添加物を含まないものと動物油脂や肉エキスなどの添加物を含むものに分類されています。
 基本的にはハンバーガーのパティやハンバーグ、ミートボールなどの加工肉に使用されています。焼き肉、すきやき、しゃぶしゃぶなどには今のところなっていません。

 このフェイクミート、多くの研究開発によって以前とは比べ物にならないくらい味が良くなってきているようです。ハンバーガーなどはほとんど違和感がないともいわれています。どのような分野でもどんどん技術革新が進んでいきますね。

今週の動画
「 牛の助産のやり方(その1) How to do midwifery of a cow .(Part1) 」

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