育成期の後半〜肥育前期になってくると、粗飼料が増える飼養管理になってくる農家さんが多いと思います。市場を経由する肥育牛では、生産農家さんから肥育農家さんへと移ることで飼料や環境も変わり、ストレスも大きくなります。また、肥育もステージによって餌を変える農家さんも多いと思います。そしてもちろん、肥育牛の成長に伴って給与する飼料の量もどんどん増えていきます。
こういった飼料変更は肥育牛にとって非常に大きなストレスになります。飼料変更時には第一胃内の細菌叢が不安定になり、その構成比(原虫や細菌のバランス)も変化します。こういった時に下痢は起こります。
この場合の下痢は、消化管内の細菌叢が飼料変化についていけていない事によって起こります。対策の方法や治療のタイミング・方法などは非常に多岐にわたっていて、農家さんによって様々だと思います。ここは色々な考え方があるかと思いますが、私は発育に影響のない範囲であればあまり気にしなくてもいいと思っています。食欲が落ちてしまえばもちろんダメですが、食欲があっても下痢が続いていれば増体に影響が出ます。そういった時にはやはり積極的な治療が必要になりますが、そうでない場合は細菌叢が落ち着くまで2-3日は様子を見ながら飼養管理するというやり方をしている農家さんが多いように感じます。