以上は全て感染症による下痢でしたが、ウシの下痢症では感染症ではない下痢にもよく遭遇します。
哺乳期の子牛ではミルクの消化不良による下痢があります。親付けの場合と人口哺乳の場合がありますが、この二つでは少し原因が違います。
まず親付けの場合、これは母牛の乳質の変化によって起こります。いわゆる母乳性白痢というものです。これには色々な原因があると言われているのですが、1)母牛が低エネルギー状態になっている(増し飼いが足りない)、2)逆に濃厚飼料の量が多すぎる(特に高タンパク)、3)発情などによるホルモンバランスの変化、4)産後の産道感染・乳房炎、などによって質の悪いミルクを子牛が飲んでいるためだと考えられています。
対策としては、母牛の飼養管理を一度チェックする(養分要求量を過不足なく満たすように給餌する)事や、一時的に断乳や制限哺乳を行うと良くなります。母牛の病気がある時はそちらの治療を積極的に行うことも大切です。