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戸田克樹のコラム
第285話「梅雨になると思い出すマイコトキシン②」

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2020年5月27日

農家さんがカビの生えた飼料を発見するパターンはおそらく次の3種類ではないでしょうか。

パターン①明らかにカビが生えている
これはもう明らかにカビが目に付く場合です。第284話で出した写真のように、だれがみても分かるケースですね。

パターン②複数の牛が突然エサを残したor食欲が落ちてきた
カビが生えた飼料は特有のにおいがしたり、味が悪かったりするのでしょう。マイコトキシンに汚染された飼料は基本的には食い付きが非常に悪くなります。病気であればその牛だけがエサを残すでしょうが、同じ日に複数頭がエサを残したとき、まずはエサにカビが生えてないかよく観察してみましょう。カビが見つかるかもしれません。

パターン③複数の牛で便が緩くなった
マイコトキシンを摂取してしまうと腸粘膜に炎症が起こり、腸炎(下痢)を呈することがあります。ブシャー!っと飛ばす下痢ではないにしても、ドロドロと臀部を伝うような便や軟便が増えてきたら要注意です。飼料に目を凝らしたらカビがみつかるかもしれませんね。

ちなみに、下痢の原因がカビの場合、新鮮な飼料に変えてあげると症状は改善します。

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