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戸田克樹のコラム
第284話「梅雨になると思い出すマイコトキシン①」

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2020年5月20日

今年もこの時期がやってきました。止まない雨、毛根から分泌されたまま乾くことのない汗、へばりつく服、曇天につぐ曇天、そしてきつくなる体臭。どうしましょうかね。

梅雨になると話題にのぼるのはやはりカビです。じとじと&ベタベタで不快になる季節ですが、牛さんにとってはそれよりも飼料のカビが非常に気がかりでしょう。カビはマイコトキシン(カビ毒)を放出しながら生きています。動物(人間を含む)にとって毒性を示すものも多いため、食品や配合飼料については残留基準値が定められています。そのため、農場に届いた時点ではまず問題はありません。心配なのは、タンクで保管されている配合飼料や濡れやすい場所もしくは湿度の高い場所においてある配合飼料や粗飼料です。

ときおり「黒カビはダメでしょ!白カビは大丈夫でしょ!」という意見や、「うちはこの時期カビ毒吸着剤やってるから大丈夫でしょ」という意見を耳にします。でも、我々が思っているよりもマイコトキシンは危険です。まったくもってカビるんるん♪とはいきません。目に見えない恐怖が確かに存在しています。そんなカビについて、いい時期なので少し考えてみましょう。

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