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蓮沼浩のコラム
第619話:獣医師人数雑感 その2

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2020年5月21日

 ここ数日結構激しい雨が続いています。土砂降りが始まり「避難準備情報」が診療所のある阿久根市でも発令されています。とにかく自然災害に対しては安全第一で行動していくことが大事です。

 今回のコラムでは、平成22年から減少を続けていた産業動物獣医師の人数が平成28年の4,270人から65人増加して平成30年に4,335人となり、久しぶりに増加に転じた内容を見てみようと思います。
 
 真っ先に気が付いたのが、競馬関係団体の獣医師の人数の増加です。前回の調査と比べて42人増えています。前回の調査の223人から265人へと約19%人員が増加しています。小生は残念ながら全くわからない世界なのであくまでも推測でしかありませんが、平成22年には332人いた人員が年々減り続けていることから、危機感をもって採用に力を入れたのかもしれませんね。
 
 もう一つ気になる数字は診療施設開設者が平成28年の1,547人から1,520人に27人減少していることです。これは全国にある産業動物の病院(往診のみを含む)が減ったことを意味します。

 原因についていろいろ考えると、やはり産業動物獣医師の高齢化が大きなポイントであるように思います。こんな事を書くと先輩獣医師から怒られそうですが、例えば診療所開設者で施設を持っている方が全国で662名いらっしゃいますが、この662名の平均年齢は62.7歳になります。平均で62.7歳ですから、結構年齢は高いような気がします。競馬関係でも個人診療施設開設者の施設を持っている方88名の平均年齢は60.9歳です。こちらも結構高めです。
 
 では逆に一番平均年齢が低いところはどこなのか。人数がある程度いるところで調べてみると、やはり小動物臨床の個人診療施設の獣医さんが若いですね~。これは納得です。被雇用者7,301名の平均は39.1歳です。意外だったのが国家公務員になります。農林畜産の行政機関で129名の平均38.5歳。こちらも結構若いですね~。

 小動物と国家公務員。どちらも獣医さんの卵には人気の職場になります。産業動物の世界は果たしてどうでしょう??

今週の動画
「 エコーの使い方 その1 How to use the echo Part 1 」

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