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笹崎直哉のコラム
顕微鏡を使ってみよう その9

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2020年5月19日

 相変わらず毎日25分のオンライン英会話レッスンを受けてます。1ヶ月が経過しました。少しずつWebテキストの難易度が上がってきて、予習が必要になってきたのと、先生の質問内容が分からなくて、聞き直すことが増えました。とにかく粛々と継続していきます。

 さて今回も引き続き顕微鏡シリーズです。皮膚病をテーマに進めていこうと思います。

 肥育の牛さんで、尾根部や四肢にこのように

 脱毛、皮膚の肥厚、痂皮形成、出血などの症状があり、牛さんが非常に痒そうにしているときは疥癬症といってヒゼンダニ(正確にはショクヒヒゼンダニ)が寄生し、悪さをしていることが多いです。顕微鏡だとこんな感じでみれます。

 厄介なのが、疥癬になったタヌキさんが牧場にトコトコとやってきて、牛さんにうつしてしまうことがあります。

 治療せずに放置しておくと、患部が化膿したり2次感染して関節の浮腫を伴う歩行障害が発生するケースもあるので、早めに駆虫しましょう。

 続きまして「ハジラミ」について紹介します。「シラミ」は吸血しますが、「ハジラミ」は吸血をしない代わりに体毛や皮膚をかじります(頭部が胸部よりも幅広く、口部はかじるのに適した形状になっています)。顕微鏡でみると頭から口元が大きく発達しているのが分かると思います。

 牛さんの体毛や皮膚に、かじりついて離れませんので、痒くてたまりません。

 こういった外部寄生虫をターゲットにした駆虫薬を使うときは、肥育牛で発生が多いことから休薬期間がどれくらいなのかを確認して使用したり、場合によっては獣医さんにしっかり診察してもらいましょう。

つづく

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