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池田哲平のコラム
「牛の解剖91:膵臓(7) ~インスリンと肉質(まとめ)~」

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2011年11月11日

 ここまでの話をまとめると、インスリンの特徴は以下のようになります。
 (1)グリコーゲンの合成を促進する
 (2)脂肪の合成を促進する
 (3)食餌後の血糖値が上がった時に分泌される
 (4)ストレスを受けたり興奮した時も分泌される

 このなかで、(4)は起きてほしくない現象でした。
 
 言い換えると、肥育牛にとっては、いかに(1)〜(3)の現象を起こすか、また(4)の現象を起こさないようにするか、というのが大切であるという事になります。

 つまり、インスリンの働きから肥育牛の事を眺めてみると、「如何にストレスなく快適な環境でたくさんの飼料を食い込ませてリラックスさせて飼う事が出来るか」という、肥育の基本的概念のようなものが見えてくる気がします。

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