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肺炎の直接の原因は前回お話ししたように各種の病原体ですが、誘引というか、もう片方の原因は、牛さんの防御力の低下です。いわゆる免疫とか抵抗力の部分のお話になります。免疫というのは、自分と自分でない物を見分けて、自分でない物が体内に入ってきたら排除する力のことですが、簡単に考えるとばい菌をやっつける力だと思ってください。 免疫は、牛さんにいろんなストレスがかかると低下します。まず、免疫を低下させる大きなストレスとして、「群編成ストレス」があげられます。これは、文字通り牛さんが群れを作るときに感じるストレスで、1群の頭数が多いほどストレスは強くなります。 群を作ると免疫は強いストレスのためにその後2週間程度で最も低下し、3週間で回復するかどうか、といわれています。また、ようやく免疫が回復し、落ち着いてきた群れに、新しい牛さんを1頭混ぜると、元の群れの牛さんも含めて全頭の免疫が再び低下します。ですから、群れを作るときはできるだけ1回で作り、群の再編成や継ぎ足しは行わないということが、群の免疫を低下させないコツです。 先ほど、1群の頭数についてふれましたが、たとえば18頭群だと、全頭総当たりのリーグ戦でケンカすると、18×17÷2=153回もケンカしなくてはいけないのですが、群れを半分ずつに分けると9×8÷2=36回ですみます。6頭群なら15回です。頭数がちょっとだけ少なくなると、ケンカのストレスが大幅に減少するのは分かりますよね。
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