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笹崎直哉のコラム
顕微鏡を使ってみよう その7

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2020年4月28日

 今月中旬からオンライン英会話レッスンを受けています。発音や英文法など、全く自身のない笹崎でしたので初心者コースからスタートしました。テストを受けつつステップアップする流れです。ちなみに講師は日本語が喋れない外国人の方です。はじめは講師の質問に対し文法を無視して、単純なフレーズだけで回答していたので「Yesを文頭にいれなさい」とか「Itsを使いなさい」など、とても注意されました(泣)。まずは自己紹介をスムーズに、そしてケーススタディーができるよう頑張りたいと思います。

 今回は症例紹介をしていきます。はじめに写真をご覧ください。

 これは血液塗抹を顕微鏡でみたものですが、丸い形の赤血球がたくさんみえると思います。さらによくみると、プツプツした小さな丸い点のようなものが赤血球の中にみえます。
 これ、実は寄生虫(原虫)なんです。この寄生虫はバベシアやタイレリアなどと呼ばれ、牛さんの赤血球に寄生するのですが、主にフタトゲチマダニ(なんだか長い名前です)というマダニが媒介します。放牧している農家さんでたまに発生するピロプラズマ病という病気です。

 写真のように赤血球に寄生虫することで赤血球が成熟過程で破壊されてしまいます。結果的に溶血し、溶血性貧血を招きます。赤血球の破壊が亢進していくと、血色素(ヘモグロビン)由来の非抱合型ビリルビンが過剰に生成されるので、黄疸(溶血性黄疸)を呈したり、食欲不振、発熱を認めることがあります。ダニの駆虫はこのような病気を予防する上でも大事になってきますね。

つづく

【お詫び】写真に誤りがあったため、こちらのコラムで訂正させていただきました。
【※訂正とお詫び】顕微鏡を使ってみよう その7

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