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松本大策のコラム
これからの世界で畜産を護ろう!

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2020年4月13日

 みなさん、連日増え続けるコロナウイルス感染者の報道に、ややもすれば心もふさぎがちになり、また先の見えない将来への不安で押しつぶされそうになります。
 しかし、このようなときにもっとも強いのは、最悪の予想を立ててそれに備えをし、後は最良の未来を信じることです。

 まず、近い未来に起こる可能性としてもっとも恐ろしいのは、海外に頼る粗飼料や濃厚飼料の供給が滞る、もしくは価格が上昇することです。自家産の粗飼料だけでもしっかり作っておきましょう。荒れ地があれば、新たな草地として利用しましょう。
 肥育農家さんや繁殖農家さんは、あまりなじみがないかも知れませんが、デントコーン(飼料用トウモロコシ)は、カロリーも高く前期飼料の代替としての使い方も出来ます司、繁殖農家さんは、デントコーンのサイレージだけでも配合飼料の代替になります。
 繁殖飼料や育成飼料の代替になるだけでも、穀物を少しでも肥育の濃厚飼料に回すことが出来ます。「肥育の肩ばっかり持ちやがって!!」などと思わないでください。肥育牛あってこその繁殖経営です。肥育牛の農場を護ることはひいては繁殖農場も護ることになるのです。それから、粗飼料を短く裁断することで引き込みも少なくなります。この粗飼料の引き込みも、意外にバカにならぬ量なのです。平時でも、1/3を引き込んでいるとすれば、実際にかかっている粗飼料代は、1.5倍です(写真)。ましてや、これからの世界は、おそらく「自国第一主義」でしばらくは輸入が滞ることが懸念されます。ムダな粗飼料の使い方は慎まなければなりません。

 それから、農場では様々な添加剤を使いますが、この原料の輸入も滞ることは容易に予想がつきます。飼養管理で節約できる添加剤は節約し、国内で自給できる代替品なども調べておきましょう。我先に買い占めてもみんなで自分の首を絞めるだけです。一部屋の頭数を減らすだけでも、というか、その方法が、ストレスを減らし、免疫を改善し、病気に対して添加剤や抗生物質にはるかに勝る予防効果があるのです。
 物理的な洗浄は、下手な消毒にも勝ります。イベルメクチンがコロナウイルスの増殖を抑えるとの報道以来、駆虫剤としてのイベルメクチンも入手が滞っています。使用量を節約するには、なるべく体重の小さな時に駆虫し、その1週間以内に敷料交換をすることで、敷料注にすでに存在する寄生虫卵を取り除くのが効果的です。再感染を防ぐことが出来ますからね。
 このようにいろいろな工夫で、かなりの対処は出来るはずです。これまでのみなさんが耐えてきた人生に比べればたいしたことはありません。
 
 
 最後に心配性なのでいらぬことを書きますが、もしどのような事態になっても、自分の命を絶つようなことはしないでください!死ぬくらいなら逃げられるはずです。
 
 
**政府への愚痴**
 スピード感がなさ過ぎます!全国民に30万円支給して、後からゆっくり「富裕層や不要と思われる人」からは回収すればいいんです!!

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