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原田みずきのコラム
へその緒が2本!?③

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2020年4月10日

4月に入り、鹿児島はポカポカ陽気が続いています。農場の猫ちゃんたちも気持ちよさそうに日向ぼっこしています。往診中にいつも癒やされています。

さて、今回のコラムでは「臍動脈遺残」の処置について説明していきます。

まず、臍動脈遺残の子牛が生まれてしまったら、すぐに清潔な藁を敷いたところに移してあげてください。オガクズは臍から侵入して感染の原因になるので使わないようにしましょう。そしてすぐに獣医を呼びましょう。

また、獣医師が到着するまで時間がかかる上に臍動脈からの出血が激しい場合は、獣医から臍動脈を輪ゴムで縛っておくようにお願いされることがあります。その場合、臍動脈はかなり脆い血管なので、慎重に処置するようにしましょう。

獣医の処置としては、出血が軽度の場合は臍動脈を捻ってから引きちぎります。出血が多い場合は臍動脈を吸収糸で結紮してから切断し、臍の中にしまいます。

いずれの処置でも抗生剤と止血剤を数日投与します。臍からの感染を防ぐため、臍がきれいに塞がるまでは敷料はオガクズなど細かい素材は避け、清潔な藁などを敷いてください。
 
 
ここまで症例の写真が全くないことにお気づきでしょうか。私が処置した症例では出血がかなり多かったので吸収糸で結紮したのですが、初めての症例で気が張っていて写真を撮る余裕がありませんでした。猫の写真はたくさん撮るくせに。次からはもうすこし余裕をもって処置できるはず…です。

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