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池田哲平のコラム
「脂肪壊死症を考える(12) 〜まとめ〜」

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2011年7月22日

 脂肪壊死症に関するコラムは今回が最後ですが、私見も交えて色々と書いてきました。肥育牛では決して珍しい病気ではありませんが、その原因や治療法などは分かっていないことも多いです。病気を発見した時の判断が難しい病気の一つではあります。
 ですが、決して治らない病気ではないです。肥育牛では、治療コストとリスクを考慮して出荷する場合が多いのですが、繁殖牛では、強肝と抗酸化のキーワードのもとに継続治療をして完治した牛もいます。
 また、(私自身まだよく理解していない点が多かったので)今回は紹介しなかったのですが、ヒトの“肥満”に関する研究の発展が近年目覚ましく、脂肪の代謝や脂肪組織・脂肪細胞に関する新たな発見が数多く発表されています。この研究結果をもとに、ウシの脂肪壊死症に対しても新たなアプローチが始まっています。

 脂肪壊死症が見つかっても、
 「じゃぁ、今日あれ注射しとくんで、あとはこれ飲ませといて下さいね☆2〜3日で良くなりますから。」
と言える日がいつか来ますように・・・。

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