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池田哲平のコラム
「脂肪壊死症を考える(11) 〜治療法は?その4〜」

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2011年7月15日

 この他にも、以前より脂肪壊死症の治療に使われるものとしてはハトムギ(ヨクイニン)、イソプロチオラン製剤などがあります。
 ハトムギやヨクイニン(ハトムギの種子)は壊死脂肪組織での不飽和脂肪酸の割合を高める効果があり、壊死脂肪組織の融点を下げる効果があるとして使われていました。しかし、ハトムギの国内生産が減少するにつれ、最近ではほぼ使用されなくなっています。
 イソプロチオランは農薬(殺菌剤)として使われることも多いのですが、牛では肝疾患の治療薬や肝機能改善薬として使われます。脂肪壊死症の治療に強肝剤を用いて肝機能を回復させると言うのは、以前のコラム(「脂肪壊死症を考える(9)」)でも紹介したのですが、イソプロチオラン製剤を用いるときに注意しなければならないのは、長い出荷規制がつくと言うことです(ウルソ製剤も1日つきますが・・・)。そのため、大きな肥育牛などの治療に使用するときには注意が必要です。

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