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池田哲平のコラム
「休題:牛の体温(3) ~電子体温計の問題点 その2~」

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2011年7月8日

(2)体温が違う!?

 短い時間で体温の上昇を測って最終的な温度を予測する電子体温計では、たまに体温が正しく予測されずに出てくる時があります。そのほとんどが体温が高く表示されます。
 どういった時にそうなるかと言うと、一番は排便したときです。体温計が抜け落ちてエラーになることも多いのですが、その圧力に負けずに測定し続けると体温が高く表示されることが多いです。それも0.2〜0.3℃といったちょっとしたものではなく、2℃以上高く測定される時もあります。明らかに元気でエサも食べるウシの熱を計ったら40℃以上……おかしいと思い計り直したら、今度は平熱……。なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか?
 この疑問に対して、わたくしが今現在考えている答えは3つほどあります。

 1.排便時のウ○チとの摩擦によって熱が発生している
 2.ウ○チの発酵熱を計ってしまっている
 3.直腸温ではなく深部体温を計ってしまっている

 どれもありそうと言えばありそうなのですが、しかし、どれに対してもそれを否定する要素も考えているので、何が正しいのか未だにはっきりとは分かっていません。

 一つはっきりと言えるのは、水銀体温計では計り直しで2℃以上も差が出たことは無いのです。
 む〜、なんででしょうか??

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