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戸田克樹のコラム
第280話「ふたつの血尿③」

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2020年4月8日

「診療車が匂うな~(悪い意味で)」と思って掃除をしました。普段やらない人間はやり始めると止まりません。掃除機をつかい、雑巾をつかい、しまいには除菌スプレーを噴射します。気づけば1時間が経過…。まずい。まだ今日のカルテ書いてなかった。ということで黙々と事務作業に戻ります。
 
 
必要な検査その①血液検査
確認する項目は3つで十分です。まずは白血球数をみます。感染が起こっていれば骨髄から血液中に免疫細胞(白血球)が放出されますので、その数が増えているはずです。白血球数が基準値を超えていれば、感染が起こっていることを疑います。

次に見るのは腎機能評価に使われるBUN(尿素窒素)クレアチニンです。この数値が基準値より高いと、尿をつくる能力が落ちるほどに腎組織がダメージを受けている可能性があります。正常であればBUNもクレアチニンも尿に排泄されるため、血液中の濃度はあがりません。尿を作る機能に異常が生じると、血液中にこれらの成分がどんどんたまってしまうので数値が上がってしまうというわけです。

つづく

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