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笹崎直哉のコラム
顕微鏡を使ってみよう その5

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2020年4月7日

 皆様お疲れ様です。休日や仕事終わりにランニングするとたった20分走っただけでも、足が痛くなるし、疲れがドッときます。最初は「ルンルン気分で1時間走れるようになりたいな」なんて思っていましたが、まだ到底先の話になりそうです。

 では顕微鏡のお話ですが、今回は「好酸球」に入っていきます。
 好酸球は白血球のうち、ほんの数%を占める程度で数はあまり多くありません。好酸球は実際に顕微鏡で見ると、こんな形態になっています。

 右側の小リンパ球(成熟したリンパ球)と比較するとサイズは少し大きめですね。また内部にプツプツとした多数のピンク~赤色の顆粒があります。好酸球は後に紹介する好中球のように炎症が起きているところに集まったり(遊走能)、貪食能をもちます。

 では好酸球が増えるときってどういうときでしょうか?

 基本的にアレルギーや寄生虫疾患で増加します。好酸球はアレルギーが起きている場に集まり、ヒスタミンという物質の放出を阻害してくれます。ヒスタミンというのは肥満細胞や好塩基球などが産生するもので、アレルギー反応や炎症の発現の介在物質として知られています。好酸球がもっている顆粒にはヒスタミナーゼという酵素も含まれているので、ヒスタミンを不活化し、結果としてアレルギー反応を抑制してくれます。私はまだ好酸球が沢山出現した血液塗抹を見たことがありませんが、そのときはコラムで紹介しますね~。

つづく

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