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笹崎直哉のコラム
顕微鏡を使ってみよう その4

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2020年3月31日

 桜が咲きはじめてきましたね。最近は休日や仕事が早く終わったときに軽くジョギングするようにしています。15~30分ですが、有酸素運動になるので、走り終わった後は心身ともにリフレッシュします。運動不足でお悩みの方は10分ぐらいからでも良いと思いますので、日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 今回は白血球のお話です。

 白血球を顕微鏡で詳しく見たい!!

 そんなときは血液塗抹を引いてみましょう。白血球の種類を詳しくチェックできます。リンパ球、単球、好中球、好塩基球、好酸球の割合やサイズ、色、明度などチェックポイントは盛りだくさんです。

 それではリンパ球から。
 赤血球と同様に成熟したリンパ球は小さく、濃く染色されています。子牛と成牛とで変わってきますが、白血球のうち割合は45%~75%を占めます。結構高めです。

 でも以下のように細菌性の化膿性肺炎や関節炎などの炎症性疾患の場合はリンパ球より好中球が進出していることが多いです。こういった所見も診断の一助になります。

 白血球数が20,000 / μlを超えているなど「数値が異常に高いとき」は牛伝染性リンパ腫の発症を疑うことがあります。牛伝染性リンパ腫発症の場合は以下のようにリンパ球が著増していたり、核が変形した異常なリンパ球がみられることがあります。

 牛伝染性リンパ腫はウイルス性や非ウイルス性の2パターンがあり、牛さんの臨床症状や抗体検査など様々な所見や検査をもって判断していきますが、その中でも血液塗抹は非常に重要な検査になります。

つづく

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