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笹崎直哉のコラム
顕微鏡を使ってみよう その3

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2020年3月24日

 最近はとある有名人の影響をうけて、1日に2Lの水を飲むようにしています。もともと乾燥肌というのもあり、保湿クリームだけでは改善しないので、更なる肌の保湿効果を期待して始めました。今日で2 週間が経ちます。でも本当は3L飲まなきゃいけないのと、血液pHに近い水を選ぶ必要があるみたいです。実際に3Lを1回だけ試したところ、お昼ご飯を食べれないくらい、胃が水で満たされたため2L以上は断念しました。肝心の結果ですが、特に乾燥肌は治りませんでした(笑)。ただ仕事もプライベートも集中力が長持ちしたような感じがします(気のせいかも)。体に悪いことはすぐ結果が出るが、体にいいことは結果が出るまでに時間がかかるんだとよく聞かされましたので、今後もしばらくはこの習慣を続けてみようと思います。

 では顕微鏡のお話を続けていきます。今回は赤血球をテーマに症例写真を織り交ぜながら進めていきます。ルーチンで赤血球が絡んだ状態といえば「貧血」が挙げられます。

 貧血といってもパターンは様々です。牛さんで起こる「出生子の生理的貧血」も当然のごとく貧血の1種になります。でも溶血性貧血、腎性貧血、再生性貧血だとか、まだまだ沢山あります。
 私は牛さんを診察するときに可視粘膜の色を見て「ぎょぎょ!これは貧血!?」と疑うときがあります。可視粘膜とは外からでも見える粘膜のことを指し、例えば、眼粘膜、鼻粘膜、口腔粘膜(舌や歯肉も含む)、外陰部などが挙がります。普段は濃いピンク色なのに白色に変化している場合は「可視粘膜蒼白」といって貧血を疑い、診断の一助になります。

 症例写真をみた方が分かりやすいと思いますので一度ご覧ください。
 左側に比較用として健康な牛さんの写真を載せておきます。
 

 貧血の牛さんの舌も撮影できたので、参考までに載せておきます。
 

 普段より白色になっているのが分かると思います。歯茎も分かりやすいです。
 その後採血を行い血液検査したら、やはりヘマトクリット値、赤血球数、ヘモグロビン濃度などの項目が低下していました。
 事務所にもどり血液塗抹を引き、染色後顕微鏡で覗いてみました。
 

 丸いプツプツしたものが赤血球なのですが、サイズが大小不同ですね。
 実はサイズが大きければ大きい程未熟な赤血球になります。意外ですよね。あとは塗抹の引き方によっても変化しますが、出現している赤血球の数が少ないですね。もっと密にびっしりと集まっていてもおかしくないです。顕微鏡まで使い、しっかりと検査していけば、貧血と一言にまとめてもいろいろなケースやヒントがみつかります。

つづく

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