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蓮沼浩のコラム
第612話:Check その1

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2020年4月2日

 最近料理を少しするようになりました。やってみると結構面白いです。
食べすぎには注意しようと思います。

 小生は獣医師であることから、多くの牧場で疾病の予防対策等に取り組んでいます。産業動物の獣医師は「疫学」というものを非常に重要視するのですが、その時に使う手法のひとつとしていわゆる「PDCAサイクル」というもの(第307話第309話)を牧場で実践していただき、データと現場の状況を見ながら牧場の状態を改善するように意識して取り組んでいます。この「PDCAサイクル」を回すときに一番小生が重視しているのは「C」のCheckになります。さまざまな取り組みを行った結果をデータからしっかりとチェックして検証することで初めて次のステップに進むことができます。世の中の問題の多くは正解がわかりません。「答えのない問い」に立ち向かっていかなくてはいけません。未来に向かって進むには、仮説を立て、その結果を検証しながら改善を繰り返していくしかないと思っています。

 現在Covid-19の感染拡大により、日本は大きな岐路に立たされています。本当に難しい問題が山積していると感じます。伝染病の広がりと日本経済への超弩級のダメージ。すさまじい状態になっていることだけはわかります。産業動物の獣医療とは違い、人様の命や想像を絶する経済への影響があるので、「まずはこの計画でPDCAサイクルを回してみましょう」なんてことは簡単に言えません。今問題となっているcovid-19のような桁違いの影響を及ぼす事に対応することは、本当に大変であるとつくづく思います。

 田舎の鼻くそ獣医師である小生には正確な本当の情報がほとんどなく、今の状況を的確に把握することはできません。当然見聞きした情報も限定的な情報なので、小生は状況判断をする時にいわゆる「限定合理的判断」をしてしまいます。一番正確な情報を多く持っている「国家」の対応を見守るしかありません。

 「国家」は小生のような鼻くそ獣医師とは違います。必ず現在の対応を「意図して」行っています。ありとあらゆる情報を収集してデータ解析を行い、PのPlanを立てて取り組んでいるはずです。現在の「国家」が取り組んでいる「何かしらのPlan」が果たして正しいのか、間違っているのかは現時点で小生にはもちろんわかりません。そこで、現状を改善するためには何にも役に立ちませんが、「国家」の取り組みに対する長期的な視点でのCheckだけはしてみようと思いました。次回は小生が注目しているCheck項目を紹介してみようと思います。

今週の動画
 「 子牛の糞便検査 ケース2(後篇)
   Cattle’s Fecal Examination Case2 Second volume 」

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