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戸田克樹のコラム
第278話「ふたつの血尿①」

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2020年3月25日

33歳を迎えようとしている2020年に、虫歯が見つかってしまいました。
歯茎に麻酔を打たれ、歯を削られ、顎が疲れるほどがんばって口をあけ、そしてお会計…。虫歯になるとつらいことだらけですね。やはり予防が一番です。痛感しました。
 
 
ところで、先日久しぶりに血尿をする牛さんに遭遇しました。

写真のように、真っ赤な尿を出すものですから農家さんもビックリ仰天!これだけ赤いと驚いてしまっても仕方ないですね。私が臨床獣医師を続けて6年ですが、血尿のとの遭遇は数えるほどしかありません。レアな症例といえるでしょう。もしかしたら遭遇したことさえない先生や農家さんもいらっしゃるかもしれませんね。

血尿という表現されるこの赤色尿ですが、実は2つのパターンが存在しています。
今回はその2つの違いを紹介していこうと思います。

どちらのパターンかを見極めるには「遠心分離機」という機械を使うとすぐにわかります。

さきほどの牛さんから採取した赤色尿を機械にかけて高速回転させてみましょう…

すると

パターン①

パターン②

このように2種類のパターンになるのです。
①は下に何やら怪しげなものが沈んでいます。そして全体的な赤色がまったくなくなり、普段の尿のような黄色になっていますね。
②はというと、写真の使い回しじゃないのか?というくらいまったく変化がありません。

では、この違いはなぜ生じるのでしょか。
つづく

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