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松本大策のコラム
コロナウイルスはどうなる?

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2020年3月23日

 なんだか世の中が新型コロナ肺炎で、憂鬱な空気に包まれているように思います。

 羽田空港も飛行機内もガラガラですし(写真)、イベントは中止になるし(僕も講演が2つ中止になって悲しいです(;_;))、オリンピックも延期になりそうなことを安部首相が検討しているという報道を今朝のテレビでやっていましたね。
 アメリカでもヨーロッパでも感染が蔓延しているようですし、いったいどうなるのでしょうね?

 もしも、コロナウイルスが牛さんのコロナウイルスと同じ性格だったらいいのですけどね。というのは、牛さんのコロナウイルス感染症は「冬季赤痢」と言われるように、冬場の血便を起こすタイプです。つまり、冬に被害をもたらしますが、春になれば次第に流行が終了するのです。
 コイツと同じように暖かくなると、新型コロナウイルスも流行が終息してくれたらいいのに、と切に祈っています。

 でも、その他のコロナウイルスと同じであれば、心配なこともあります。それはどういうことかというと、ヒトの鼻風邪の原因として、4種類のコロナウイルスが知られているのですが、このタイプの風邪は、何回も繰り返してひいてしまいますよね?これって、1度感染して、免疫が上がってきて治っても、免疫が長続きしないために再感染を起こしてしまうのです。

 病原体によって、免疫の持続期間は異なります。たとえば、天然痘とかポリオなんかは、一度のワクチンでほぼ一生免疫が持続します。でも日本脳炎などは、毎年ワクチンを打つ必要がありますよね?このように、病原体によって免疫の持続期間は異なるので、もしも新型コロナウイルスに対する免疫の持続期間が、これまでのヒトのコロナウイルスと同じくらい短かったら、ワクチンの意味が限定されてしまうのです。

 あくまでも効果がないといっているわけではありませんよ。でも、一度ワクチンを打ったから安心!というわけではないということなのです。
 では限定的な効果とはどういうことを指しているのか?それは、牛さんの口蹄疫の時に打つリングワクチネーションのように、「封じ込め」として感染地域の人に打つことで、感染を封じ込めてしまおう、というものです。ただ、人間は牛さんみたいにおとなしくしていませんからね。強制力のある移動制限なども必要でしょうね。

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