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第609話:オーストラリア肉牛産業事情視察 その15

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2020年3月12日

 日本だけでなく、世界もとんでもない状態に突入しています。このような時こそ、冷静に粛々と自分がやるべきことをしっかりやりたいと思います。

 広大な大地に放牧し、種付けは雄牛まかせ。子牛も基本的に母牛にまかせて、大きくなってきたら売先に売却。逆に日本では基本的に舎飼いが多く、配合飼料、粗飼料、代用乳や人工乳等を用います。そして種付けから分娩、産まれてからの子牛の哺育・育成など、それこそありとあらゆる局面で本当に多くの人の手がかかっています。オーストラリアと比べて何倍も労力と経費がかかっていると思います。本当に管理方法は天と地ほどの違いがあります。真逆です。
 
 どちらが良いとか悪いとかいうことではありません。しかしオーストラリアの肉用牛は本当に日本と比べてほったらかし・・・否、手がかかっていません。ただ、一応小生は日本のありとあらゆる飼養管理方法をみているのですが、オーストラリアの肉用牛の管理方法をみて「これもありだな~~~」とも思いました。本当に何というか・・・自然です。こんな事を言ったらオーストラリアの農家さんに怒られそうですが、ほとんどすべて「牛まかせ」になっています。何というか、畜産の原点のような感じもしました。広い大地でのんびり草食べて勝手に種がついて、勝手に子牛も大きくなっている。このような管理ができる場所だから、肉牛の頭数2,640万頭などという数字がだせるのですね。日本でももちろんこのような管理方法をしているところもありますが、気候や放牧地の面積、環境問題など様々な制約があり、とてもじゃないけどこの数字は出せません。

 日本の肉用牛の世界では、オーストラリアのように管理することは非常にむずかしいと思います。あのような広大な大地はありませんが、舎飼いであっても少しでもストレスの少ない環境で管理してあげることができればいいなと思います。病気の牛さんを治療ばかりしている小生に、「牛の病気は無い、全然出ないよ~」という農家さんの言葉が本当に印象的でした。

 小生が訪れたのは2019年11月。その時はひどい旱魃や山火事が頻発し、大変な事態になっていました。しかし2月に入ってかなりの量の雨がふったことから山火事は終息し、何とか復活の兆しがみえてきている模様です。これからもオーストラリアの情勢には今まで以上に注目していきたいですね。

 今回で長々と紹介してきたオーストラリア肉牛産業事情視察の報告は終了で~~す。
 
 
今週の動画
 「 糞便検査 ケース1 Fecal Examination Case1 」

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