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戸田克樹のコラム
第276話「膣検査と直腸検査の意義って何だろう④」

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2020年3月11日

妊娠鑑定や卵巣所見確認の際は直腸検査を行いますが、エコーに慣れた方であれば、あまり積極的に「直腸検査で触る」という行為はされないかもしれません。エコーを使用するときは子宮や卵巣に「あてる」という感じですから。

エコーの利点はなんといっても映像化です。先端のプローブを当てるだけでOKです。

子宮や卵巣内の様子が一目瞭然ですから、子宮を触りすぎて人為的な流産を引き起こしてしまうリスクは少ないですし、卵胞や黄体もすぐに視認できます。また、手で触ってもわからない時期(胎齢30日程度)でも羊水や妊娠黄体を見ることで早期妊娠鑑定を行うことができます。

ある程度胎齢が進んでくると羊水の量も増え、胎盤や胎仔そのものも見ることができます。

なんだかエコーの話ばかりになってしまいましたね。
しかし、直腸検査で生殖器や腹腔内の探索を行わないといけない状況が臨床現場には存在します。昔ながらの直腸検査という技術は必要不可欠なものなのです。

では、まずは検査方法をおさらいするところから始めましょう。

つづく

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