結腸に続いては、消化管として最後尾に位置する直腸とその出口である肛門が存在します。直腸の特徴的な構造はというと・・・・・・特にありません。。S状結腸から直線的に続いていて、構造的にもほとんど大きな変化はなく連続しています。強いて言えば、結腸より少し膨らむような形をしていて、広い内腔になっている点でしょうか。
そんな特筆することがあまりない直腸ですが、私たちの様な大動物獣医にとってはとても関わりの深い部位なのです。
そう、直腸検査です。
直腸検査は私たちが日常的に行う検査の一つで、肛門から手を入れて直腸を通して骨盤腔内や腹腔内の臓器の状態を調べるために行います。肥育牛では腸管・胃などの消化器官や腎臓・膀胱などの泌尿器、繁殖雌牛では主に子宮・卵巣などの生殖器の状態を調べるために行います。最近ではこれに超音波画像診断装置(エコー装置)を組み合わせて用いることで、診断の幅が広がっています。
余談ですが、私、一般的な人に比べて手が非常に大きいです(バスケットボールは掴めます)。直腸検査の際に、中で手が動かしにくいなぁと感じることもあります。その前にまず、肛門から手を入れるのにも苦労するウシもいます。もし直腸が結腸と同じような太さであったら、今よりもっとやり難かったのかなぁと思ったりもします。