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池田哲平のコラム
「牛の解剖75: 結腸(2) ~複雑怪奇~」

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2011年3月11日

 結腸は動物ごとに非常に違いが見られる部位であり、またそれぞれが非常に特徴的な形をしたものが多いです。左の図をみるとそのことがわかると思います(ちょっと分かりにくいかもしれませんが…)。
 左上に描かれているのはイヌやネコの様な食肉類ですが、結腸は非常にシンプルな構造で、ヒトの結腸の走行と形によく似ています。
 しかし、他のブタ・ウシ(反芻動物)・ウマの結腸は非常に特徴的な形状をしており、「神様はどうしてこんな奇妙というか芸術的というか…な形にしたのだろうか」と、私は学生時代のころより思っています。特に、ヒトで言う上行結腸の部分の違いが顕著です。
 ブタは巻貝の様な形の三角錐型、ウシは蛇がとぐろを巻いたような形の円盤型、そして、ウマはぱっと見ではもう何がどうなっているか分からないような複雑さ…

 ちなみに、この図は学生時代に私が使っていた教科書からの引用です。ウマだけチェックしているのですが、ウマの結腸の構造を覚えるのが非常に大変だったことを今でも覚えています(笑)。
 牛飼いの皆さんは、ウシが円盤状の結腸を持っている、という事だけ頭の片隅にでも入れておいていただければ充分です。

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