2020年3月10日 普段の診療で牛さんの病気の診断がはっきりしても「原因は何だったのか」をはっきりさせることが重要になります。そのためのツールの1つとして顕微鏡があります。血液、糞便、尿などを採材し、事務所でじっくりと検査します。とっても役に立つ優れものです。 例えば、肥育牛の出血性腸炎です。コクシジウム虫卵の有無を確認するために採便し、顕微鏡で要チェックです。 たくさんのコクシジウム虫卵を発見しました。コクシジウムと細菌をやっつけるためにビタミン剤、サルファ剤、抗生剤、止血剤の処置を行い、5日間ほどの治療で治りました。 次も肥育牛です。今度は尿石症です。1回尿道バイパス手術を行ったのですが、その後「尿の出方が悪い」とのことで採尿しました。石が詰まったのか、それとも膿などの別な物が原因なのかを探ります。 尿を顕微鏡で見てみるとストラバイト結晶を発見したため、尿結石が原因と判断しました。痛みの緩和と尿結石をなくすことをターゲットに絞り治療再開です。このように原因がひとつでもわかると安心して治療を進められます。 つづく 前の記事 Bluetooth ~1年間使ってみて~ | 次の記事 顕微鏡を使ってみよう その2 |