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戸田克樹のコラム
第274話「膣検査と直腸検査の意義って何だろう②」

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2020年2月26日

歯医者にいったら「歯茎の易出血性が高まっている」と言われました。検査によると、ほとんどすべての歯茎で出血…。歯周ポケットの汚れが原因で持続的な炎症反応が起きて歯周病リスクが高まっている様子です。戸田克樹32歳、これからは口腔内環境のケアを積極的に頑張ってまいります。

今回は膣検査を紹介していきましょう。

膣検査の手順
まずは膣検査をどのように行っているかを紹介します。

1. 消毒液をつくって膣鏡を消毒

2. 外陰部を洗う

3. 膣鏡を入れる

4. ライトで照らして膣壁や子宮頸管を視認

5. 検査後は膣鏡をよく洗い、最後に消毒し清潔な場所で保管

膣鏡検査は少し手はずが多く、「面倒…」と感じるかもしれません。特に発情期ではない牛が相手だと、結構暴れる牛もいるので作業が難航する場合があります。臨床現場では「サッと手早く簡単に」行える検査や治療でないと実施頻度が下がってしまうことは多々あります。

しかし、膣検査を行うことでわかることがある以上、やはりやらないわけにはいきません。

膣検査でわかることその①:思わぬ疾病と遭遇!
とくに過大仔の分娩時に生じやすい産道裂創を確実に発見できます。これは外から見るだけでは見つけられません。産後の努責や持続挙尾など、痛みがありそうなとき、膣検査は非常にお勧めです。

さらに、膣検査によって子宮蓄膿症の見落としを防ぐこともあります。蓄膿症は外陰部や大腿部に膿が付着していて発見されるケースが多いです。しかし、そこまで膿が蓄積されていないケースだと、膣内に膿がとどまったまま排膿されていないケースがあります。これも膣検査でしっかり発見できます。早期発見にも膣検査はもってこいです。

以下、膣内の写真を載せておりますので苦手な方はご遠慮ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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