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松本大策のコラム
隔離舎って、どうなんだろ?

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2020年2月17日

 みなさんの牧場では「隔離舎」をお使いですか?

 大きな繁殖や一環の牧場ではよく見かけます。ここのところ、「うーん、隔離舎ってあった方がいいのかな?」と考えています。というのも、隔離舎に入ると、いかにも重症の牛さんが並んでいるのですが、果たして隔離された時点では本当にこんなに悪かったのかなぁ?と感じることが多いのです。

 話は少しそれますが、連日話題に上っている「ダイヤモンド・プリンセス号」について、諸外国からは、「あんな閉鎖空間に、コロナウイルス肺炎患者と未発症感染者、健常者を同時に詰め込んでおくのはおかしい。ダイヤモンドプリンセス号は、第2の爆心地となった!」と、強い調子で非難されています。

 僕の考えも同じです。隔離というのは、感染者、発症者、未感染舎を一緒に閉じ込めておくことではなく、危険率のランクに従って「分離」しておくべきだと思うのです。

 それを考えると、牛さんだって「隔離」というのは、独立牛房もしくは極めて小頭数の牛房にすべきで、「隔離舎」という牛舎は建てない方がいいのではないでしょうかね?隔離舎の中で、治りかかった頃に、また重症患者から再度もしくは別の病原体を移されて、再び前以上に悪化してしまう、という状況を見かけます。

 出来るだけ、重病の子牛さんを出さないことが大切ですし、その上でどうしても重症の子牛が出たときには、写真のようなテントを急造で建ててはいかがでしょうか?安いし、洗えるし、快適ですよ。

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