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原田みずきのコラム
牛と鼻水②

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2020年1月24日

先日ある農場で診療していると、すぐ近くで「ニャーニャー」と猫の鳴き声が聞こえました。程なくして飼槽に現れた子猫に牛たちは興味津々。我先にと駆け寄り、匂いを嗅ぎ始めました。すると子猫は寄ってきた牛の鼻にすり寄り、舐められると気持ちよさそうに喉を鳴らしていました。子猫は牛たちに寄ってたかって舐められまくり、毛皮がビチャビチャになってもスリスリをやめませんでした。

農場で猫を見かけることは多いですが、ほとんどの猫は牛が寄ってくると逃げますし、舐められればほぼ確実に逃げ去ります。もしかしたらこの子猫は自分のことを牛だと思っているのかもしれないですね。

毎回のことですが、長い前置きになってしまいました (笑)

今回のコラムでは先週に引き続き、鼻水のお話です。
鼻水は鼻の穴(鼻腔)にある鼻腺という分泌腺から分泌されます。鼻水には鼻から吸った空気を加湿して肺に負担がかからないようにしたり、吸気中に含まれる異物を絡め取って気道や肺に病原体などが侵入しないようにしたりする働きがあります。異物を絡め取った鼻水は鼻腔表面にある線毛によって鼻の奥へ運ばれ、喉へと押し流されて飲み込み、胃液で消化されています。健康時だと鼻水の分泌量と、喉に流れ込む量のバランスが取れているので、鼻水を垂らすことはあまりありません。
ちなみにハナクソは鼻水と埃が絡まったものが鼻腔内で固まったものです。牛にもハナクソがあるのかはわかりませんが、人間より埃っぽいところで生活しているので大物ができているかもしれないですね。

次回のコラムでは鼻水が垂れてくるときの体の状態についてお話します。

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