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松本大策のコラム
「おっぱいが原因で起こる下痢(繁殖のお話) その3」

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2006年12月20日

 それから、お産前やおっぱいを出す時期に、お母さん牛に大豆粕を多給する方がいらっしゃいますが、いまの繁殖飼料はかなりよく考えて設計されていますから、あんまりいじらない方がよい場合も多いです。どうしても何らかの事情で設計変更をする場合には、地元の技術者の先生などとよく相談してからにしましょう。話が横道にそれましたが、大豆粕のように分解性タンパクを多く含んだものを多給しすぎると、第一胃で利用しきれないほどのアンモニアが発生してしまいます。このアンモニアは菌体タンパク質という良質なタンパク質の材料になるのですが、分解性タンパクの給与量が多すぎると、アンモニアの発生量が増えすぎて、利用しきれなかったアンモニアは吸収されて、お母さんのおっぱいに混入してしまうのです。そうなると、子牛はアンモニア入りのミルク、言い換えるとションベン入りミルクを飲むことになります。下痢ぐらいしてもおかしくはありませんよね。(つづく)
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