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原田みずきのコラム
オペ中の腹痛

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2019年12月27日

数日前の午前0時頃、夜間当番の戸田獣医師から帝王切開の応援要請がありました。逆子の過大仔でバイタルが弱めの危険な状態で、私が到着してからオペが始まったのですが、母牛が暴れる上にすぐ座り込んでしまい、かなり難航しました。なんとか子牛を引っ張り出せたのがオペ開始から2時間後、破水から6時間後くらいでしたが、子牛は生きていました。蘇生処置をして子牛の状態が安定したのを確認し、「生きていてくれて本当に良かった-」と話しながら母牛の縫合に取り掛かったあたりで強烈な腹痛に襲われました。お腹が冷えた?変なものでも食べた?まさか盲腸?と思考を巡らせているうちに思い出しました。数時間前に下剤を服用したことを。私が服用したのは刺激性下剤、つまり大腸を刺激して腸の蠕動運動を促進する働きがあるお薬です。これがものすごく痛いんです。周期的に襲ってくる腹痛に耐えながらなんとか母牛の閉腹まで終わらせ、戸田獣医師に下剤を服用したことを話し、ちょっと呆れられながらも先に帰らせてもらいました。

幸い大事には至りませんでしたが、「いつ何時急患が来るかわからない臨床獣医師は下剤を服用してはいけない」という良い教訓になりました。ああ、痛かった。

今年最後のコラムが汚い話になってしまってごめんなさい。年末年始は食べ過ぎ飲みすぎになりがちですが、皆様も胃腸の健康には気をつけて、良いお年をお過ごしください。

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