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笹崎直哉のコラム
分娩後~発情回帰まで

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2019年12月24日

 早いものでもうすぐ今年も終わってしまいますね~。私事ですが、先週熊本で趣味で活動しているダンスチームの今年最後の出演をしてきました。振り返ってみると、今年は合計10回もチーム出演の場を頂きました。来年はどうなるか・・・。この調子で楽しんでいけたらと思います。

 ・・・さて良い年が迎えられるよう、今年最後まで悔いのないように頑張っていきましょうか!

 いまさらですが、皆さんは分娩後の発情回帰ってご存知ですか?これは分娩後に卵巣の活動が再開し、正常な発情周期に戻ることを指します。発情回帰までは子宮や卵巣はお休み期間に入っているため発情がみられません。この期間を無発情期と呼んでいます。

 ではなぜ分娩後すぐに発情がこないのでしょうか?この理由を考えてみました。

 ・子宮の組織が回復していない
 ・泌乳にともなうエネルギー不足
 ・子牛への授乳により、発情に必要なホルモン(GnRH)の分泌が抑制される

 特に泌乳に加えて自身の発育にもエネルギーを必要とする初産牛は、無発情期が長くなる傾向にあります。

 その後飼料の摂取量が増えたり、泌乳量が減少することでエネルギーの収支が改善すると、GnRH分泌が促進され、発情が回帰します。よって発情回帰を早めるためには、母牛の栄養状態を注視しなければなりません。具体的には分娩前後に「増しエサ」を行うことが大切です。カロリーとタンパク質などの栄養バランスがとれている飼料を十分に摂取させることがポイントになります。次回は「実際に分娩後の卵巣や子宮ってどうなってるの?」をテーマにお話しようと思います。

 それでは皆様よいお年を~(^^)/

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