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池田哲平のコラム
「牛の解剖41: 食道(1) ~消化“管”のはじまり~」

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2010年6月18日

 口から入った食物は、口腔内の消化装置によって小さな食塊にされた後、咽頭を通って食道に運ばれます。食道とは口腔と第一胃をつなぐ消化管の一つです。言うなれば、この食道が“管”としての消化管のスタートとなります。消化管では食塊が消化・吸収を受け、やがて糞便として排泄されます。一本の長い管の中をどんどん下流へと運ばれて行くのです。では食塊は一体どのようにして運ばれているのでしょうか?
 何か物を運ぶ為には“動き”が必要ですよね?動物が体の内外問わず動く時には、必ずと言っていいほど筋肉が作用しています。消化管でもこの筋肉が動くことで、食塊を下流へ下流へと送っているのです。食道以下の消化管では、基本的に一番外側を薄い膜が覆っていて、そのすぐ内側に筋層が2層あります。この筋肉が食塊を押し出すように下流へと運ぶ役目をはたしているんです。
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