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池田哲平のコラム
「牛の解剖40: 咽頭 ~口と食道をつなぐ架け橋~」

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2010年6月11日

 口腔内の深部は食道につながっており、また一部は鼻腔ともつながっています。この部分を大きく“咽頭”と呼びます。以前、呼吸器のところで似たような言葉として“喉頭”と言うものがありましたが、こちらは主に呼吸に関するのどのことです(牛の解剖9参照)。
 咽頭にはリンパ組織が豊富に分布していて、その一部は咽頭扁桃(いわゆる扁桃腺)として肉眼でも隆起しているのが見えます。

 ちなみに、魚類や一部の両生類に見られる“鰓(えら)”は発生学的には咽頭と同じ起源にあり、哺乳類の咽頭が外界に通じたものが鰓になると言われています。

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