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池田哲平のコラム
「休題: 農場の愉快な動物たち(5) ~イノシシ~」

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2010年6月4日

 或る日、とある農家さんで診療が終わって帰ろうとしたところ、草むらから大きなガサガサという音が聞こえ、山道を駆け上っていく黒い大きな影が見えました。後ろ姿でしたが、はっきりとそのかたちをとらえることができました。イノシシでした。畑を荒らす厄介者という印象が私の中では強く、牛舎に姿を現すこともあるのかととても驚きました。
 イノシシは牛と同じ偶蹄目(ウシ目)の動物で、東北地方を北限として日本各地に広く生息しています。シカと並び狩猟の対象とされる動物の筆頭で、往診先のとある農家さんでは狩猟期間になるとたまに獲れたてのイノシシのお肉をくれます。その時期になるとハンティングに忙しいようで、治療があってもなかなか牛舎にいてくれません…。
 その一方で、イノシシを小さいウリボウの時から大切に飼って“肥育”させている農家さんもいます。本業よりも力が入っている、とまではいきませんが、毎日の餌やりは欠かさず行っています。
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