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笹崎直哉のコラム
牛さんが運動した後に

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2019年12月3日

 皆様お疲れ様です。ついに12月に突入しました。寒くなってきたので、呼吸器病が少しずつ増えてきました。そこで今日は肺炎をテーマにしてお話しようと思います。

 普段の診療で肺炎を疑うときは、聴診器を使って喉、気管、肺音を聞いて異常音の有無をチェックしますが、同時に呼吸数を計測したり、呼吸様式も確認します。健康な子牛の呼吸数は1分間に20~40回ですが、肺炎になると呼吸数が増加します。また呼吸様式は生理的には胸式呼吸と、腹式呼吸の両方で行っているが、肺炎だと腹式呼吸が強くなります。

 しかし肺炎になっている牛さんでも望診や聴診で診断しにくいケースがあります。そんなときは牛さんに運動負荷を与えると診断の一助になることがあります。例えば牛さんを歩かせたり、走らせた後に呼吸数が増加したり、咳をしたりするときは肺炎になっている可能性があります。牛さんを隣のパドックに移動した後、普段は気にならないのに呼吸が早くなったり、咳をする場合は要注意です。もし気になるようだったら獣医さんに診てもらう等の対応をしてみましょう。

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