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蓮沼浩のコラム
第594話:定点観測?

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2019年11月21日

 小生は出張する事が意外と多いです。新幹線や飛行機に乗ることもよくあります。何気なく移動しているのですが、気が付くとその中で必ずやっていることがあります。それは一言でいうと定点観測とでもいうのでしょうか・・・。特に空港では決まった本屋さんに必ず入ってどのような本があるかを必ず確認しています。毎回在庫が変わります。トレンドの変化もみられます。それだけで世の中の動きが少しわかるような気もしています。最近はちょっと古いかもしれませんが5GやSDGsなどの言葉も良く見ます。ちなみに毎回立ち食いのすし屋で決まったものを注文し、一瞬で食べて店をでることもなぜかずっと続けています。ネタの状態が毎回違い、非常に面白いです。これも定点観測になるのかな?

 実は普段往診を回っている農場でも知らない内にこの定点観測とでもいえるような事をやっています。牧場の中のものの配置から、餌の状態、牛さんの状態や病気の出方など、それこそ毎回足を運んでいる農場の事については色々なことが無意識のうちに自分の中に入り込んでいます。

 いつもはこの時間には餌がはいっているはずなのに、なぜか空っぽだなあ~。何かあったのかな?

 粗飼料の種類が変わっているなあ~。これからの繁殖成績には注意しないとなあ。

 牛さんの毛艶が最近よくなってきているなあ~。そういえば妊娠鑑定の成績最近いいよな。

これらの変化は何となく仕事をしているとまったく気が付きません。しかし、興味を持って眺めてみると色々なことがわかりとても面白いです。

 診療が忙しくなるととてもじゃないけど、そこまで見ることはできません。しかし、絶えず牧場の状態を主体的に眺めることが出来るときっと色々な発見があり、診療の幅も大きく広がるような気がします。病気の牛さんだけでなく、このような定点観測をしながら普段との違いを気にするようにすることは非常に重要だと思います。

 「あれ、最近ここの所良くなっていない??なんかしたの??」

 「先生、何言っちょんの。な~~~んも変えとらんど~~。しっかりしっくいやん(笑)」

事実誤認もあるので注意です。

今週の動画
「子牛の肋骨とお臍の触診 Palpation of the calf ribs and the navel」

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