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笹崎直哉のコラム
冬場の分娩室

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2019年11月19日

 そろそろ年末になるので、部屋の掃除と整理整頓を始めています。ヨガの思想で提唱される「断捨離」に基づき、本当に必要なのかどうか考えながら進めています。不思議と始めていくと、「あ!ここも、お!こんなところにも」と普段以上に気づくことがあって、作業時間がオーバーしてしまうものです。実はまだ窓拭きが残っています。私は窓拭きが苦手です。寒いし、手が冷たくなるし、意外と労力を必要とするからです。ん~、、、昼間の晴れている時間帯を狙って一気に取り掛かろうと思います。

 さて冬場のお産のお話です。よくある繁殖農家さんのお悩みで、出産後1か月経過しても陰部から汚いものが出ているんだと耳にします。そこで少し、分娩室の現状を確認してみましょう。

 必要以上に床にノコクズや稲ワラを敷いていませんか。冬であれば、なおさらお母さん牛が寒くないようにと心配して敷料が多くなってしまっているケースがあります。でもいざお産介助中で赤ちゃんが出ているとき、部屋中に埃が舞って咳き込んでしまう経験はありませんか?

 こんなとき怖いのがノコクズや稲ワラがあ母さんの産道内に付着、侵入して汚染を招いてしまうこと。難産であれば、少なからず産道に傷が入るリスクがあるので、異物の侵入は避けたいところです。なので無事に産まれた後に充分な敷料を準備してあげるようにしましょう。赤ちゃんも温かい床での快適な生活を望んでいます。

 また赤ちゃんが生まれた後は、すぐ1口分だけでよいので初乳を飲ませてあげましょう。いざ充分量の初乳を飲む前の体の準備になります。

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