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第260話「リカバリーレポート」

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2019年11月13日

みなさん、リカバリーMという添加剤を覚えていますか。
私のコラムでも過去に紹介したことがあるのですが(第133話第142話。「困ったときのリカバリーEpisode①~⑨」参照)、今回またしてもその添加剤に救われたので改めてご紹介です。

簡単におさらいしましょう。バイオ科学(株)さんから販売されている『リカバリーM』は肺炎や代謝不全などで発育不良になってしまった牛さんを救う目的で作られた添加剤です。ちなみに“M”は弊社社長の松本の頭文字をとっています(笑)。

着目すべきはパントテン酸カルシウムを代表とするビタミンB群が豊富にふくまれていることです(コラム第137話参照)。肝臓での代謝機能を上げ、神経機能をサポートする効果が期待できます。

では今回のケースレポートに移ります。
1か月後に出荷を控えた29か月齢の去勢肥育牛が対象です。稟告は「食欲が落ちて…」とのこと。血液検査は以下のとおり。

赤字が気になったところです。熱や肺音はなかったのですが、白血球数が高かったので何らかの細菌感染が起こっていると考え、抗生剤を7日間連投しました。そして7日後の結果がこちらです。

「よし!抗生剤ちゃんと効いたな!…ってあれ????」
白血球数は無事に下がってくれたのですが、なぜか肝酵素と胆管マーカー(赤字)が上昇していました。出荷前なので、注射するついでにパンカル注も毎回投与していたというのになぜ…。なぜ悪化しているのですか!!!
ちなみに食欲はしっかりと戻ってくれていました(これもなぜ?不思議です)。

再びリカバリーMの力を借りることにしました(給与量は弊社松本コラムを参照。添加により稀に食いつきが悪くなることがありますので、少な目の給与量から始めたり、配合飼料とよく混ぜて与えたりしてみてください)。
そして添加を初めて7日後の再検査の結果はこちら。

たった7日でこの改善っぷりです。再発が怖いので、出荷までリカバリー添加は継続となりましたが、注射しても悪くなった数値をたった7日で改善するとは恐るべし。食欲不振牛や肝炎発症牛にはリカバリーの経口投与だけでいいのでは?と思ってしまうほど、この添加剤にまた助けられた戸田なのでした。

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