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戸田克樹のコラム
第259話「コンクリート下痢に注意」

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2019年11月6日

令和が始まったと思ったらもうすぐ年末ですね。時間の流れるのはなんと早いのでしょうか。

みなさんのお住まいの地域の気温はいかがでしょうか。
診療所のある鹿児島では日中こそ暖かい日はありますが、朝晩は結構寒いです。さすがに半袖で仕事というわけにはいけません。
そんな時期に農家さんに意識の目を向けてほしい箇所があります。それは牧場の床です。

夏場は少しくらいしっとりしている方が冷たいので、暑熱ストレスを和らげる効果も期待できますが、冬はそうはいきません。水分を多く含んでいたり、敷料が薄くコンクリートがむき出しになっていたりするような状況では牛さんのお腹が冷えてしまいます。人間と違って、牛さんはお腹を地面につけて休みますので影響はより大きいです。

お腹が冷えると人間も下痢をしますが、牛さんも同じです。腸管の動きがおかしくなり、腸管内細菌バランスが崩れるため、お腹の中は大惨事です。とくに哺乳期の子牛は冷たい床にどんどん熱を奪われて低体温症になる危険性もあります。また、水分保持能力が低い時期なので、下痢により水分を奪われるとすぐに脱水を起こし、生命の危機に陥るリスクも高まります。

特に子牛のいる部屋やハッチでは、今一度床面をよくチェックし、コンクリートが見えないようにしっかりと敷料が敷きつめられているか目視し、床が冷え切っていないか実際に触って確認するなど、「農場内の冷え感知センサー」の感度を上げて日々の管理を行っていきましょう。

ん~~~寒い!!!(‘ω’)

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