2019年10月16日
* * * * * * * * * 先週の新幹線はその後、たくさんのビジターで埋め尽くされました。自由席の乗車率は100%を超え立ち客でいっぱい。これだけの観光客を熊本に集めるとは、スポーツの力はすごいです。まさかの8強入りとなり、ラグビー熱はまだ冷めることはなさそうですね。 さて、「劇薬」と書いていながらなぜ安全なのかを今回は考えてみます。 効能または効果の欄には、「牛・馬・豚・犬・猫:感冒、肺炎、気管支炎などの解熱、鎮痛、去痰」と書いてあります。非常に幅広い動物に使用することができ、去痰効果があるのは嬉しいところです。 次に投与量を見てみます。 もう少し読み進めていくと、注意事項も書いてあります。「定められた用法・容量を厳守すること」「肝、腎、血液に障害を有する動物に使用する場合には健康状態を考慮し、投与の適否の判断を慎重に行うこと」「スルピリン水和物は実験動物で変異原性及び催奇形作用が認められているので治療上必要な場合以外は使用しないこと」「本剤を静脈内に注射する場合には、血圧低下を起こすことがあるので、できるだけ緩徐に注入すること」など、大切なことがいくつも記載してあります。 逆を言えば、こうしたことに十分に注意して慎重に使用していれば基本的には問題がない、ということでもあります。たとえば100kgの子牛に50ml投与するとか、1日に5回注射するとか、何日も注射を続けるとか、そういうことをせず、説明書に書いてある注意点を守って適切に使用すれば、良薬になります。我々も劇薬指定を受けている薬を使用する機会は非常に多いですが、それにより発生した事故はこれまでありません。他の薬と違い、注意は必要となりますが、必要以上に薬剤に対して不安を抱く必要はありません。 なお、劇薬は法律で他のものと区別して陳列するようになっていますので、使用時だけでなく、保管の際もご注意くださいね。 前の記事 第255話「たまには表示を見てみよう①~ゲゲゲ!劇薬!?その1~」 | 次の記事 第257話「たまには表示を見てみよう③~算数の時間です①~」 |